人の生き方に感動することは、元気をもらえるのはもちろん、うまく言えないけど、なんというか「俺はどうだ?ひょっとして俺は自分が正しいと思いこんでるだけなんじゃないか?俺の目は輝きを放っているか?」と今の俺自身を見つめる機会にもなる。
■■■METALLICA [ST.ANGER]
得体の知れない、とてつもないエナジーが四方八方にほとばしっている。
速くて激しい曲、叙情的な曲展開が好きな20年来の熱狂的ファン。90年以降のヘヴィロックシーンの道標となった通称"ブラックアルバム"、第5作「METALLICA(通称ブラックアルバム)」の"完璧なサウンド"を愛する世界中のファン。さらに続く「LOAD」のシンプルでファットでグルーヴィな音の虜となった割と新しいファン。
彼らの間で毎度物議を醸し出すメタリカのアルバム。
約6年ぶりの新作「ST.ANGER」もという様々な憶測が飛び交っていたと思う。昔の速くて激しいメタリカに戻る?"シンプルなグルーヴ"は更にレイドバックし続け、もう激しいメタリカは聴けなくなる・・・?
そういう周囲の憶測の背後から、巨大なブルトーザーが時速200kmで突進し、蹴散らす!!!!!
という感じが今作だと思う。
アルバムタイトル曲でもある2曲目「ST.ANGER」を聴き終えた時、あまりの衝撃と余韻にしばらく言葉を失った。
速くて激しい、という意味だけなら"戻った"という表現も当たっているけれど、でもどう聴いても"昔に戻った"音ではない。というか、全然違う。原点、ブラックアルバム以前と以後・・・、それら全てを突き抜け、未来をめがけて飛んでいく矢。今のメタリカだけが鳴らせる音、とでも言うのだろうか・・・。感情の何かが思い切り爆発した感じだ・・・。
何よりも凄いのは、40歳にもなろうとしているオッサン達から、凄まじいほどの元気をもらっている、という事実だ。
"完璧なコントロール"、ジェイソン脱退という"犠牲と代償"、自分の中の"処理しなければならない問題"、メタリカという"プライドと責任"・・・・・・。全てを乗り越えた今、なんだか得体の知れないとてつもないエナジーが四方八方にほとばしっている。
俺はかれこれ15年くらいメタリカを聴いているけれど、今回初めて感じたこのとてつもない衝撃はいったい何なんだろう・・・・・・。ファンならずとも、1曲目の「FRANTIC」、そして2曲目「ST.ANGER」を聴き終えた頃には思い切り後頭部をぶん殴られるような衝撃を受けることだろう。「な、なんだ?この凄まじい感情のエナジーに満ちた音楽は?」と。高速ブルトーザーは聴く人を100回くらい引き倒していることだろう。
「な、なんだ一体これは!?」と思わせるバンド・・・。このエナジー・・・。いつか詳細レポートしたい・・・。
にしても、ラーズの超高速ツーバスが、まさか彼が40歳になろうとしている今、再び聴けるとは・・・。
そして、大男ジェイムズ、鉄壁のリフを刻みながら猛々しく吠える姿・・・。最高だ。
コメント