さすらいのひとり旅:原爆ドーム修理中

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1999年3月5日~8日、卒業旅行

3月6日:原爆ドーム修理中

 5日の夜は結局近くのコンビニで買ってきたおにぎりとパンで簡単に済ませた。5日の夜9時くらいに駅前をぶらぶらした時に、半分屋台のような古びたラーメンやさんを見つけ、店前のテーブルにはジョッキビールをごくごく美味しそうに飲みながらラーメンを食べている二人の女の子がいた。それはそれは本当に美味しそうな食べ方で(ラーメンが美味しそうというよりもその食べ方がうまそうなのでラーメンもうまそうだ、という感じ)、「町を散策したらここで絶対食べよう」とその時は固く誓ったのだけど、一日の疲労がどっと押し寄せてきて、結局前述の通りの悲しい一人飯となってしまったのだ。

 翌朝は割と早くに目が覚めた(といっても7時くらいだけど)。さっとシャワーを浴びて身支度を整え、駅前のおんぼろビジネスホテルを足早に去る。このホテルなのだが、昨日広島駅に着いた時に、急いで手配したのは良いのだけど、とにかくぼろい宿だった。今回の旅は本当に思いつくまま流離おうと決めていたので、予定なんてものは何一つ立てていなくて、夜が更けて、もうこれ以上進めないという状態になったところで鈍行列車を降りることにしていたのだ。それで、宿もまるでくじ引きをしているかのような具合に、見事に当たりはずれがあった。それはともかく、市電乗り場で一日乗り放題の券を購入し、乗り込んだ。昨日のどんより雲が嘘みたいに、広島の空は晴れ渡っていた。

 八丁堀で市電を降り、平和記念公園へ向かう。
 原爆ドームは、僕が公園にひょいと入ると、すぐにその姿を見せてくれた。僕の勝手な想像で「ドーム」はもっと入り組んだ所にあると思い込んでいたので、正直「あり?」という感じだ。でもすぐ見ることが出来たのだから感謝しなければ。