1999年元旦
元旦はめでたい日らしい。でも暇だ。午後から家の裏をぶらぶら散策してみることにする。
僕の実家は旭川の端っこの方にある。近くの丘を越えると、隣町・鷹栖町ののどかな景色を眺めることが出来る。
でも何もない。いや、悪い意味ではないです。心を苛立たせる余計なものは一切無い、と言った方が良いだろうか。
時間は貯金箱に入れておきたいくらい有り余っているので、さらに歩く。
雪原の下は、田圃だったり草原だったり空き地だったり、人通りの少ない道路だったりする。色々ある。
春から秋にかけて、そこでは折々の風景を見ることが出来る。でも、冬の間だけは全ては雪の下で静かに眠っている。
嵐山スキー場へと続く道。
嵐山スキー場へは、旭川に住む子供達なら一度は絶対に行ったことがあるはずだ。
すごくシンプルな作りのスキー場で、コースにはいつもオルガンの軽快な音楽が流れていた。
スキー場の食堂で食べるラーメンやカレーライスは何故かいつも美味しい。たくさん体を動かした後に食べるからだろうか。
そういえば、最近スキーをしていないな。
2年ぶりに冬の旭川にいるわけで、2年ぶりの北国の寒さを体感している。30日に到着したときには「大丈夫だな」と思ったのだけど、長時間歩くと知らず知らず鼻水が垂れてくる。コートにマフラー、毛糸の手袋としっかり武装してきたので、守られている部分は暖かいけど、ほっぺたはひんやりとした冷気を感じる。せめて毛糸の帽子を被っておけばよかった。
仕方がないので、僕の必殺技を使うことにする。走るのだ。トコトコとスローペースで走る。きゅっ、きゅっ、と雪を踏む音が小気味良い。やがて体は内側からほかほか温まってくる。4年間も走り続けていると、もはや走ることは一つの武器となる。でも、歩いて目的地に行くことが「時間かかるなぁ」とかったるく感じられ、ついつい走りたくなってしまうことがある。うーん、困ったものだ。
帰りは、来た道をそのまま帰らずに旭岡に寄り道することにする。
僕の中で、旭岡はすごく好きな場所の一つだ。
ここには窯元が沢山住んでいる。もちろん店もある。 店の中は静かで落ち着いた雰囲気で、でも創作への情熱を空気から感じる。 旭川駅から、街の中心からは離れているけど、それでも訪れる価値は十分ある、と僕は思う。
これも何気なく撮った写真。空がきれいですね。テキトーに撮ると上手くいく?北海道の家。本州とは違って、屋根は瓦ではない。
屋根の色はカラフルで、僕は家々の屋根を見ると「ああ、帰ってきたなぁ」と実感する。
どこも、家の中は暖かい。
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