山梨県ホームページに見る、攻めのWebアクセシビリティ

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最近の自治体ウェブサイトの中では、山梨県のホームページにちょっと注目しています。

おそらく、多少ウェブアクセシビリティをかじった人は、「なんだ、Flashを使ってるから、アクセシビリティを意識してないハズ」と決めつけてしまうかもしれません。というか、食わず嫌い的にFlashを拒絶する人もいるはず。

でも、このサイトはアクセシビリティにも配慮したFlashを導入しているのです。そして、たしかにFlashが特徴的なのでたまたま目立っているけど、それ以外にも様々な部分で細やかな配慮が見られます。山梨県ホームページが取り組む、ユニバーサルデザイン。なかなか興味深いです。

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僕がここ数年ほど気になっていたのは・・・、
多くの自治体や業者が中途半端にアクセシビリティへ対応に取り組んでしまった結果、「アクセシビリティ = テキスト主体の、飾り気の無いページ。」という変な誤解を生みだし、しかも、それが蔓延してしまったこと。そのいっぽうで、肝心の「情報の構造化」はおろそかだったり、情報レイアウトはいまだにtableを使っていたり、平気でfontタグやbタグを使っていたりする状況の多いこと・・・(もちろん、しっかり取り組まれている例も多々見受けられます)。

HTML+CSSの本質がとらえられていないから、テキスト主体、シンプルという「一見分かりやすいが変な方向性」に行き着いたと思われるけど、それには情報分類や情報と装飾の分離が伴っていないといけないわけで、というか、それ以前に「個性や飾り気の無いページにしなければならない」なんてJISを制定した人だって誰も言っていないわけで、ちょっと悲しい現実(まぁ、たしかにごちゃごちゃした悪趣味なページは嫌だけど)。

そろそろ、流れを正すべき時期に来ているのかもしれません。そして、それは自治体や企業ではなく、「Webデザイナー」によって導かれるのかもしれない。単に技術だけではなく、HTMLが目指すものを理解し(共感し)、Webの可能性に身を捧げる、そんな心あるデザイナー達によって。最近、そんな風に思っています。

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きっと、この山梨県のホームページに携わった方々の中にも、チャレンジ精神をもって意識的に「攻めのアクセシビリティ対応」に取り組まれた有志がいるのでは・・・? そんな風に僕は想像しています。そして、なによりも「ホームページ上で思いっきり山梨県を表現していきたい!」という意思を感じます。やっぱ、ホームページを見る方からすると、発信者側の想いを感じられた方が面白いですよね。

もちろん課題もあると思うけど、まずはその攻めの姿勢に共感します。